何も咲かない寒い日には、下へ下へと根を伸ばせ。
やがて大きな花が咲く。
心にしみる素敵な言葉です。
有名なので、誰の言葉か、誰がこの言葉を座右の
銘としていたのかは省略!(笑)
根を伸ばす前に、種をまく人の話です。
ヤングジャンプ・コミックス・BJの「SEED」 全9巻。
農業の開発コンサルタント会社に勤務する
男が主人公の話です。
国レベルでの途上国の援助というと、ODAの
事業を大手コンサルが受注し利益を上げ、しかも
現地住民の要望を無視したまま大型プロジェクトを
進め、現地の環境や文化、コミュニティを破壊する
などの問題があるといわれています。
*途上国の本当の要望をどうやって有効に掬い上げるか?
その技術について書かれた本がこちら。
このSEEDという作品では、主人公が日本の
都合を押し付ける開発に疑問を投げかけ、
奮闘します。
彼が訪れる先々でプレゼントするのが、植物の
種を埋め込んだシードボール(泥団子)。
団子に埋めておけば、鳥や虫に食べられることなく、
発芽しやすい。
種をまく人、というわけですね。
切り口はちょっとマニアックな感じですが、
途上国の話だけではなく、環境、エネルギー、
農業、生物など、テーマは多岐にわたります。
「MASTERキートン」の原作者・勝鹿北星の別名
らしいです。
さすがにMASTERキートンの原作者なら、
これくらいのネタは持ってるか、と納得します。
コマ割が細かすぎたり、ネームが?だったり、
サブキャラの個性が弱かったりというのが
難点でしょうか。
しかし、途上国の開発援助がどうあるべきなのか?
まずは知るべきことが大事だと思うし、マンガという
スタイルでここまで深く掘り下げる作品はたぶん他に
ないでしょう。そういった意味で貴重な作品です。
ちなにみ、主人公は実在の人物がモデルに
なっていると言われています。今度ご本人に
確認してみようかな。
こちらの作品もとまり木ライブラリにあります。
読んでみたい方はお声かけください。無料で
貸し出しします♪
*------------------------------*
なりわいと手仕事の雑貨店 とまり木
HP http://www.tomarigi-gifu.com/
facebook https://www.facebook.com/nariwai.teshigoto.tomarigi
*------------------------------*