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2017年9月14日木曜日

書籍『コーヒー、カカオ、コメ、綿花、コショウの暗黒物語』




久しぶりの投稿&書籍紹介です。

コーヒー、カカオ、コメ、綿花、コショウの暗黒物語

サブタイトルは・・・
生産者を死に追いやるグローバル経済


















フランスのジャーナリスト、ジャン=ピエール・ボリス氏が

2005年に発表し、ヨーロッパで大論争を巻き起こした
本です。

現在の貿易の仕組みの中で、生産者がどれほど苦しんで
いるか、5つの作物の例で克明に描かれています。
その原因はというと多国籍企業・投機資金・国際機関が
推進する構造調整・規制緩和・民営化・途上国政府の
ガバナンス不足などなど、複雑に絡んでいたりして。


こういう本を読むたびに、なんというか、無力感に
とらわれるのです。

国際市場全体の取り扱い量とフェアトレードのシェアを
比較したら(データはあるけれど取りあえずさて置いて)、
現在のフェアトレードにどれほどの意味があるのか、と。


しかしこの本で一番興味深いのは、最終章に「付録」と
して書かれている「ヨーロッパにおけるフェアトレード
その現実と幻想」です。著者はフェアトレードに
対して、「フェアトレードを万能薬のように崇めるのを
やめようではないか」と言います。

著者はその根拠として、要約すれば、フェアトレードの
シェアの低さと、最貧層への恩恵が届かないこと、
フェアトレード認証コストの高さなどを挙げます。

この本を通じての著者の主張がここに表れます。
フェアトレードという手法では現状はほとんど
インパクトがなく、農産物の国際価格協定や国内価格
調整制度などの仕組みを再構築するほうが、生産者を
救うのに有効だということです。

このあたりは、フェアトレードを推進する仲間にも
意見を訊いてみたいところです。


ちなみに著者によると、フェアトレードの全てを
否定的に考えているわけではないとのこと。興味の
ある方はぜひ実際に読んでみてください。


フェアトレードに対する多用な視座を養うために有効な
一冊に挙げたいと思います。






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 なりわいと手仕事の雑貨店 とまり木

  岐阜市安良田町5-5    TEL/FAX   058-275-2224

 ~火曜は定休日です~
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2017年5月26日金曜日

読書レポ 「アフガニスタンに住む彼女からあなたへ」





 
アフガニスタンに住む彼女からあなたへ
~望まれる国際協力の形~
















医師の山本敏晴氏がアフガニスタンでの医療活動に
ついて紹介し、また国際協力についての山本氏の
視点を綴った本です。国際協力の現場がとても
生き生きと描写されているのが特徴です。

また現場の話だけではなく、もう少し普遍的な
考え方についてもとても読みやすく、しかし本質的な
部分を押さえて書かれていると思います。


というか、これは・・・この山本氏の考え方の
裏には、どれだけの経験がベースにあるのだろう、と
思わされます。修羅場くぐってるし、したたかだし、
多様な視点をお持ちのようです。

エラソーに書くのは釈迦に説法なのでこのあたりで
やめます(^_^;)


文体が読みやすいのもいいです。とかくこういった
書籍は専門用語が頻出して難解になりそうですが、
とにかくサクサク読める。

そしてバカ話もたくさん。息抜きに持っていった
コンピューターの将棋ソフトの女流棋士の声が・・・
なんて、実にどうでもいい話も挿入されている。

まあ深刻な内容も多々書かれているので、
バランスを取るためにそんなこともあえて載せて
いるのかも知れませんね。


国際協力の考え方と現場の様子を知るための
第一歩としてもオススメできる本です。


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2017年5月8日月曜日

『手をつなごうよ 日本に一番近いイスラム紛争地域での活動』



久しぶりの読書レポートです。


『フィリピン ミンダナオ子ども図書館

手をつなごうよ 日本に一番近いイスラム紛争地域での
活動』

ミンダナオ子ども図書館館長 松居友 著 彩流社
















フェアトレードデイ垂井の出店者さんとのご縁で

紹介していただいた本です。


装丁や漢字のふりがなから見て、対象年齢は

小学校高学年から中学生くらいかと思いますが、
民族や宗教のこと、グローバリゼーションのこと、
国際協力ことなど、深いテーマも含まれています。

例えば、サブタイトルにもあるイスラム教。
僕はイスラム教の歴史に詳しくありません。イスラム
教の習慣、食べ物、文化についてもほとんど知りません。

「イスラム過激派」なんていう報道に強く影響されて
しまいがちでもあります。それがどれほど危険なのかは、
歴史が教えてくれます。

そしてこの本に描かれているようなイスラム教の姿を
知ることが、固定概念を覆し、お互いの理解を促進し、
それが国際協力につながっていくのだと思います。


願わくば、著者の松居友氏に大人向けにもぜひ何か
執筆してほしいところです。


国際協力のことを勉強してみたいけど何から
手をつけていいか分からない、という方にオススメ。

とまり木で1冊だけ販売しています。気になる方は
ぜひ読んでみてください。税込み1944円です。



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2017年3月22日水曜日

「スマホの真実」上映会でした





20日と21日は「スマホの真実」上映会でした。
















多くの方が毎日使う便利なスマートフォンをつくる
ためには20種類以上の鉱物が必要とされ、通称
「レアメタル」と呼ばれる希少金属も多く含まれます。 

そうした鉱物を採掘している現場は、一体どんなところ
なのでしょうか? 僕たちの暮らしをつくっている
モノの背景にはどんな採掘行為があるのでしょう? 

35分ほどの映像。描ききれない部分を専門家に
解説していただきました。


↓写真は20日の垂井会場の様子です。












右:アジア太平洋資料センター(PARC)の田中滋氏
左:フェアトレードタウン垂井推進委員会会長の神田浩史氏



身の回りの安いもの・便利なものがどこからどうやって
来たのか?調べていくとそこには環境破壊だったり
人権侵害だったり、犯罪・紛争だったりするわけです。


またその原因を調べていくと、ODAなどの問題が
あるわけで・・・そんなことを分かりやすく解説して
いただきました。

非常に複雑で根が深い問題です。正直、そういう部分に
コミットするのはかなり根気の要る作業です。


しかし、僕たちは消費者として企業をに声を届ける
こと比較的容易にできます。

倫理的に「紛争鉱物を使わないで」と訴えるのもその
手段です。ですが、今回田中氏に見せていただいた
「フェアフォン」は、倫理的という以外にもとても
魅力的なものでした。

ドライバー一本で簡単に分解でき、故障したパーツ
だけを交換すればOK、というもの。なんと合理的かつ
機能的な!


写真撮るのを忘れました(^_^;)
興味のある方は「フェアフォン」で検索してみて
ください。


残念ながら日本ではまだ総務省の認可が下りていない
ので、現状ではフェアフォンを使用すると違法に
なるそうです。simカード入れ替えたら使えるのに。

そんなこともあって日本での普及はもうちょっと
時間がかかるかもしれませんが、そこを変えていくのも
消費者の声ですよね。




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2016年12月24日土曜日

映画「NO!」




映画「NO!」のお話です。


以前に紹介したザ・ウォーター・ウォーの主演の一人、
ガエル・ガルシア・ベルナルが印象に残っていたところ、
レンタルで偶然この顔を見つけて、早速借りてきました。




















1988年の南米チリでの実話が元になっている映画です。


1973年にクーデターにより政権を握ったピノチェトは、
議会制民主主義を否定、思想や教育を統制し長期に
渡って軍事独裁を続けました。
      
新自由主義に基づく経済政策を掲げ、当初は成長軌道を
描くかにみえましたが、やがて経済は停滞。その後
新自由主義経済を放棄します。政権末期に一時的に
経済状況は好転するも、全体としてはピノチェト政権下に
おいてチリの国民は困窮を極めました。


そんな中実施された政権への信任投票。
これはピノチェトにとって、国際社会からの批判を
かわすパフォーマンスだったといえます。なにしろ、
独裁下の選挙です。最初から結果が見えています。


「YES(信任)」「NO(不信任)」両陣営のTVコマーシャル
1日15分。さて、どんなCMが?信任投票の結果は?


公式サイト予告動画をぜひご覧ください。



まずなんといっても、ヒゲのスペイン人俳優が
いいですね。凄腕の広告マンですが、なんだか
親しみやすい子煩悩パパっぷりが素敵です。

そしてこのカラー。「刑事コロンボ」みたいな色褪せ。
テクニカラーってやつでしょうか?逆に新鮮です。


ヨタ話はさておいて。


CMの本質をしっかり捉えてるなぁと思います。
世の中の広告ってやつは、ほとんどがこの映画で
「NO陣営」が採用した方法がベースになっている気がします。


小難しい話はナシ。

簡潔なキャッチとイメージで訴える。

みんな忙しいんですから。

複雑な話は誰も聞きません。



「まるでコカコーラのCMじゃないか」 

「政治的主張は裏に」


瞬間的に大きなムーブメントを作る手法としては有効だと
思う反面、それだけでは上手くいかないこともありそうです。
地に足の着いた活動が土台にあってこそ、ではないでしょうか。



もう一つ。この映画をわざわざこのタイミングで取り上げた
のには理由があります。


お隣の各務原市では、市庁舎建て替えの賛否を問う
住民投票実施を求める声が高まり、市民の有志が
約9000筆の署名を集めましたが、先日12月22日、各務原
市議会は住民投票条例の制定を否決しました。


こういう話を聞くと、「NO!」のように、斬新なキャンペーンが
展開されていたら・・・と思ってしまうのです。



他人事ではありませんね、市庁舎建て替え。

岐阜市では来年度建て替え工事着工は決定していますが、
プロポーザルで採用された低層庁舎案から一転、岐阜市が
公開した案は18階建てになるなど、そのプロセスには
常に不透明さがつきまといます。


まずは僕たち市民が関心を持つこと。

でも多くの人を動かすキャンペーンには時として
ユーモアも必要ということでしょうか。





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2016年10月30日日曜日

コロンブス 靴職人 麻生太郎



忘れた頃にやってくる、マニアック映画の話題。

長文です。お時間のある方だけどうぞ。



ザ・ウォーター・ウォー


原題はeven the rain(雨さえも)。






さて本題に入ります。



「とうようの くにとおもった ころんぶす」


なんていう語呂あわせで年号を覚えた中学校の
歴史。1492年コロンブスが新大陸を発見。

授業ではそれ以上深いことは扱わないため、
コロンブスは歴史的偉業を成し遂げたという
イメージがあるかもしれません。


歴史的偉業、それは先住民にしてみれば悲劇の
始まりだったということを僕が知ったのは、いい大人に
なってからでした。まったくもって、無知でした。


〔ここから映画の話↓〕
*映画の中に映画撮影チームが登場します。ややこしや。

西洋のキリスト教的世界観を押し付け、発見した
新大陸で略奪を働くコロンブス。その姿をテーマに
映画を撮影する一行は、現地で先住民の反乱
首謀者役としてある男をキャスティングするが、
その男は水道民営化反対運動リーダーだった。

映画の撮影チームは、自分たちがテーマにしている
コロンブスの話とこの男が関わっている水道民営化
反対運動(水戦争)がオーバーラップして見えてくる・・・
というお話。



〔歴史の話↓〕

水戦争。これは現実にボリビアのコチャバンバで
起きたことです。

1998年、世界銀行の指導によりボリビアは水道事業の
民営化法案を可決。アメリカの大手土木会社のベクテルと
事業契約を結ぶと、ベクテルは水道料金を3倍にし、
支払えない契約者への水道供給を停止する。

同社は住民自らが貯めた雨水にも料金を請求する。
雨さえも(even the rain)利用できないなんて!


住民の反対運動の結果、政府は住民投票を実施
する。同社との契約破棄への賛成が過半数という結果を
政府は無視し、これに抗議する市民のデモを軍が弾圧。

多数の死傷者を出す事態の末、2000年に政府は
同社に撤退を要求する。

この一連の水道民営化反対運動のリーダーが、
小柄な靴職人の「オスカル」という男でした。


お分かりだと思いますが、映画の中の映画撮影チーム
(ややこしいですね)がキャスティングした男は、
現実世界のオスカルをモデルにしています。



〔麻生太郎氏の話↓〕

そして麻生太郎氏、日本中の水道を民営化すると
公言している方です。

以下の動画の48分過ぎからの発言に注目してください。
http://www.ustream.tv/recorded/31681043


「水道の料金を99.99%回収するシステム」と言っている
部分、ここにはちょっと注意が必要です。水道民営化と
いってもいくつか契約の種類があって、大まかに言って
開始・検針や料金の収受業務だけを委託する契約と、
ボリビアのように価格決定も何もかも全て委託する契約が
あります。間違っていたらご指摘ください。

麻生氏がそのあたりをどこまで理解しているのか
分かりませんが、仮にこのあたりを意図的に曖昧に
しているとしたら、恐ろしいことです。


念のためですが、水道民営化を全部否定する
つもりはありません。公営水道に問題があることも
事実でしょう。

だからといって、麻生氏のように全てを民営化
するという意見には賛成できないというだけです。

民営化でうまくいくこともあるかもしれません。
コチャバンバやその他多くの都市のように失敗に
終わるかもしれません。そのあたりをしっかりと
時間をかけて議論したほうがいいと思うのです。


大阪市でも水道民営化について議論されている
ようです。私たちの命の水を営利企業に任せて
しまうことは何を意味するでしょう。拙速な議論だけは
避けてほしいものです。


まずは、皆さんのお住まいのところの水道が
誰によって運営されているか、調べてみませんか?
水道料金の請求書に何か書いてあるかも知れません。













水道事業大手のヴェオリア・ジェネッツのHPでは、
自治体からの受託実績を公開しています。↓
http://www.veolia.jp/ja/veolia-jenets/cs-business-results


*このザ・ウォーター・ウォーという映画、なかなか
 レンタルしているお店がないようです。とまり木の
   ライブラリにありますので、観てみたい方にお貸しします。
 遠慮なくどうぞ。




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2016年7月20日水曜日

ルワンダの「ホテルと涙」 その3





ルワンダのジェノサイドについて、最後です。

今回はスガシカオとつなげてみます。


























ホテル・ルワンダの中に登場するジャーナリストが
こんなことを言います。


  「世界の人々はあの映像を見て『怖いね』と
  言うだけで、ディナーを続ける。」




この2つの映画を見て歴史を知ろうと行動に移す人が
どのくらいいるでしょうか?




その1で書きましたが、2つの映画では歴史にほとんど
触れていません。ルワンダの悲劇を「消費」させるような
演出に見えてしまう。穿った見方をすれば、意図的に。


ジェノサイドを引き起こすのは、歴史を糊塗する者と、
ディナーを続ける私たちの無関心だろう。




先ほど紹介したジャーナリストの台詞が、スガシカオの
あの曲と重なって仕方ありません。


  ガラスケースの中 飾られた悲しみを見て

  「かわいそうに」 なんてつぶやいてる

  こんな自分 ケリたくなるくらい キライ!






バックナンバーです↓

ルワンダの「ホテルと涙」 その1
ルワンダの「ホテルと涙」 その2






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2016年7月17日日曜日

ルワンダの「ホテルと涙」 その2



前回の続き。1994年にルワンダで起きた虐殺について、
2つの映画を通して考えます。


○ルワンダの涙



○ホテル・ルワンダ





それぞれのストーリーは概略だけ紹介します。


ルワンダで起きた虐殺事件当時に、迫害を受けた
ツチ族を守ろうとする人々の苦悩や葛藤が描かれて
います。「シンドラーのリスト」と似た構図ですが、より一層
残虐なシーンが強調されている印象です。また国際社会の
無力や無関心も大きなテーマになっています。


どちらも当時の実話に基づいています。


詳しくは他の映画サイトなどでどうぞ。


もしくは、ぜひご自身で鑑賞してみてください。



前回少しだけ歴史に触れましたが、フツ族と
ツチ族の対立の根底にあるものが、ベルギーによる
植民地政策でした。それまで穏やかに共存できて
いたフツ族とツチ族を明確に分けてしまい、
お互いを敵視する土壌をつくってしまったと
言われています。


そのベルギーが、この2つの映画で描かれた場所で
はツチ族を守る立場だった。


「ホテル」の舞台だったのはベルギー資本のホテル。
「涙」の舞台だった学校を守っていたのは国連のベルギー部隊。


皮肉という言葉では言い表せない歴史。




その根本が触れられていたのは、「ホテル」の中の一言だけ。

「フツとツチの違いはベルギー人が決めた」


ベルギーだけがその責を負うべきだと主張する
つもりはありません。当たり前ですが。




次回が最後。語りつくします。


ルワンダの「ホテルと涙」 その1

ルワンダの「ホテルと涙」 その3


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2016年7月15日金曜日

ルワンダの「ホテルと涙」 その1




ルワンダで1994年に起きた虐殺を描いた映画


○ホテル・ルワンダ





○ルワンダの涙







今回はこの2つの映画を通して、国際協力・平和・
などについて考えてみます。


ルワンダの歴史は以下の通り。

  1899年 ドイツが統治

  1919年 ベルギーが統治 少数派のツチ族を通して
        多数派のフツ族を間接統治
         IDカードによりフツ族・ツチ族・トゥワ族を区別

  1962年 ベルギーが撤退 次第にフツ族が権力を掌握

  1990年 フツ族とツチ族による内戦

  1994年 フツ族がツチ族を虐殺


かなり簡潔にしすぎている感もあります。当然ですが
歴史はもっと複雑で、実際には部族問題・地域問題・
経済問題など様々な要因が関係しているといわれています。

興味がある方はぜひ調べてみてください。
徳島大学の論文なんか、かなり読み応えがあります。
52ページ・・・(^_^;)


で、ここで突然ですが今回のブログの結論らしきことを
書いてみます。


2つの映画には、こういった歴史的経緯がほとんど
描かれていない。それが不思議、というより不満です。



その意味と映画の内容は次回で。


ルワンダの「ホテルと涙」 その2

ルワンダの「ホテルと涙」 その3



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2016年6月5日日曜日

『フェアトレードのおかしな真実』




久しぶりに書籍紹介です。

















フェアトレードのおかしな真実

著 コナー・ウッドマン  訳 松本 裕
英治出版 2013年


イギリスのジャーナリストが、フェアトレード製品の
購入が本当に生産者のためになっているのか疑問を
持ち、世界各地の現場に行って取材した内容を
まとめた本。ゴム・コーヒー・紅茶・綿・レアメタルなど、
私たちの生活に身近なものが、どこで誰の手によって
生産されているのかが克明に描かれています。


なかなか刺激的なタイトルですが、「フェアトレードは

インチキだ!」みたいな安易な批判ではないと
僕は受け止めました。

もちろん批判的な記述は多々あるのですが、
まだうまく機能していないフェアトレードの仕組みを
淡々と、時に皮肉を交えながら紹介しているような
印象です。


例えばコンゴのスズ鉱山での現状は次のように

書かれています。

「国連が推奨する倫理的禁輸措置は、ただ
ブラックマーケットを生んだだけだった。(中略)
交易所を通過するコルタンやスズの量が1ヶ月
あたり50トンほど減ったが、それは採掘量が
減っているわけではない。」


この本に出てくる様々な事例のように、フェア
トレードにはまだまだ多くの問題点があります。
しかし、だからと言ってフェアトレードは意味が
ないと結論づけるより、これから取り組んでいくべき
課題と捉えるべきでしょう。



フェアトレード関係者にはもちろん、国際的な
取り引きの現場にいる人にも読んでほしい一冊です。



読んでみたい方はお貸しします~(^^)



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2016年3月30日水曜日

途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その7



バックナンバーです↓



 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その3

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その4

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その5

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その6



長く続いたシリーズも今回で最後です。






この本で驚いたことは、テーマが多岐にわたって
いることです。考古学、社会学、人類学?などなど、
国際協力とは関係なさそうな分野の話題がたくさん
出てきます。その為、雑学的な感覚でとても読み
やすいのが特徴です。

また中田氏の長年の活動をベースにしている
ので、とても説得力があります。


人間とはなにか?家族とは?コミュニティとは?


ヒトという生物種の根源に迫る問いがこの本で
いくつも立てられていることも興味深い点です。。


また戦後の日本が辿ってきた社会の変化を
踏まえながら、国際協力のありかたを提言し、
さらに市民社会全体の理想像にも考察が
及ぶという内容で、ミクロからマクロまでカバーする
中田氏の視点の幅広さも特筆すべきでしょう。

国際協力の技術的な部分でいえば、
「途上国の人々との話し方」という本で書かれている
ことと重なる部分も多いので、こちらも読んで
いただくといいでしょう。「途上国の人々との話し方」に
ついては、過去のブログ記事をご覧ください。


 『途上国の人々との話し方』



色々と書いてきましたが、うまく伝わっているか
よく分かりません・・・実感を伴わずに頭で理解して
いる部分が多いからでしょう、きっと。


実感はこれからの経験でしか得られない。
そこはあわてず、でももう一回本を読み返して
みます。





バックナンバーです↓



 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その3

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その4

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その5

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その6




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2016年3月11日金曜日

途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その6




バックナンバーです↓



 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その3

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その4

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その5

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その7

途上国での自給自足を中心とした共同体での

生活は、収入は乏しくとも生きていくための資源を
容易に入手することができる豊かなものだった、
というのが前回まで。


ではなぜ途上国を支援するのか?








この本で中田氏は、途上国が豊かだと支援する
口実がなくなるから先進国が困るからだ、といいます。


中田氏が挙げた実例は、アジア開発銀行が
ラオスの山村での状況を調査した報告書の簡易版と
完成版の比較です。ラオスにおける貧困を総括
する文章を引用します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【簡易版】

ラオスにおける貧困とは「新しい貧困」であり、
風土病のような状態ではない。風土病的な貧困の
概念は、貧困を、経済発展の欠如として数字的に
定義することへの固執により、さかのぼって作り
上げられたものと映る。



【完成版】

ラオスにおける貧困とは「新しい貧困」であり、
風土病のような状態ではない。しかしながら、
現在の資源資源管理の慣行が、北部丘陵地帯に
置ける人口圧力および貧困の数学的なとらえ方と
組み合わさって、この新しい定義を導いたことは
明らかである。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




簡易版は「経済指標からすれば貧しいけれど、
現実に困っているかといえばそうでもない。だから
援助の必要性は低い。」と解釈できます。

そうなると困る援助業界≒日本の企業、NGO、私腹を
肥やそうとする途上国の役人、そしてこの事例の
アジア開発銀行のような国際機関などなど。

だから、公式版では曖昧な表現に書き換えられた。
森林伐採や焼畑などの慣行によって自然が失われ、
それを数値化したら貧困の定義に当てはまる、と。




中田氏の次の一文が象徴的です。

「相対的なものである貧困を絶対視するための
操作が行われている。それは、いうことを聞かない
国の政府を人権抑圧政府や独裁政権と決め付ける
ことで内政干渉の口実を作っているどこかの国の
やり方とは根は完全に同じである。」





何だか今回は引用ばかりでしたが、あまり多く
書く必要もないでしょう。僕の底の浅さが露呈して
しまいます(笑)。


長々と続いたこのシリーズ、次回がラスト。




バックナンバーです↓



 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その3

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その4

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その5

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その7

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2016年3月3日木曜日

途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その5




共同体の衰退は経済発展の副作用として
起こったのではなく、必要条件だった、
というのが前回までの話。



バックナンバーです↓



 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その3

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その4

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その6

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その7



経済発展のためには村からは労働力が
企業へと提供される必要がある。

しかしそうなると、共有地管理がされなくなります。

皆さんも聞いたことがあるかと思います。
いわゆる耕作放棄地、里山の荒廃などと
いった問題です。

かつての日本でもそうでしたが、山林や
水は誰のものでもなく、村全体で管理する
ものでした。私有物ではなく共有資源
だったのです。

その共有資源が失われると、ある程度
経済力がある人はそれでも問題はありま
せんが、自給自足で生活してきた多くの
村人はとたんに生活に困ります。

また管理されなくなったり乱伐された
山林は土砂災害などを引き起こしやすく、
被害をこうむった村人はさらに困窮します。


自給自足での生活は収入は確かに少ない
ものの、生きるために必要なものは手に
入ります。

一方で収入が増え、経済的に豊かになる
ことで失われるもの。


これらがトレード・オフされることを中田氏は
指摘し、「その豊かさは共同体を失ったことと
本当に収支が取れるものなのだろうか?」と
疑問を投げかけます。




徳山ダムの底に沈んだ旧徳山村を画いた
「水になった村」という映画のことを思い
出します。



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山を降りて便利になったはずの暮らし。

でも食べるものはスーパーで買わないといけない。

冷蔵庫を開けても何もない。


徳山ではいつでもあんなにたくさん山の恵みを
いただいたのに。

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映画及び書籍「水になった村」については
以前にブログ記事を書いています。↓
http://tomarigi-gifu.blogspot.jp/2014/09/blog-post_15.html
http://tomarigi-gifu.blogspot.jp/2014/10/blog-post_90.html




私たちは、なぜ途上国を「貧困」と見なして
経済援助を行うのか?


次回もまた内容が濃いんです!!



バックナンバーです↓



 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その3

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その4

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その6 

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その7


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2016年2月26日金曜日

途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その4





↓バックナンバーです。


 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その6

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その7
 



共同体の維持のためには、お互いに許しあい、
見逃しあう必要があった、というのが前回まで。






本書では「相互信頼に基づく相互扶助」という表現も
使われていますが、いわゆる昭和の時代の下町に
あった人情物語というとこでしょうか。


近代化の過程で失われていった人情。

あるいは共同体の解体という言い方も。



さてそれはどのようなメカニズムなのか?

途上国の近代化に伴い同じことが起こるのか?



ようやく途上国の話になりました(^^)




中田氏は、途上国の経済発展の条件として
企業の発展が必須だとし、ではその企業の
発展のためには何が必要か、と続けます。


資本・労働・土地(資源)。


この3要素のうち、資本は企業自身が投資家から
集めるもの。では労働と土地は?

いうまでもなく途上国の村にあります。


しかし伝統的な自給自足経済で維持されてきた
村は、労働力や土地をすぐに供給できるわけもない。
というより、供給する必要がない。自給自足で
事足りているのだから。


必要な食糧・衣服・住居・教育や介護といった
サービスまで、全て共同体の中で担っているのに、
どうして企業のために労働力を提供する必要が
あるだろう?


企業側の視点で見ると、自給自足経済から
資本主義経済へと移行してもらわないと困る
わけだ。儲からないもの。


ということは、村人は農業や漁業、手工業を
捨てて企業の労働力になってくれ、という訳です。


こうなると村からは生産という機能が消え、
生活の場だけになってしまう。


教育にしても同じです。企業が求める人材になる
ためには高度な教育が必要。政府は公教育を
推進し、学校が建つことになる。そして村で担って
いた教育機能が衰退する。


働き手がサラリーマン化して都会に出て行き、
村には女手と老人が残る。農作業のために
機会が導入され、交通が便利になれば遠くの
お店に買い物に行くようになり、近所づきあいも
希薄になる。


必要なくなった機能から消えていき、最後には
村そのものが維持できなくなる。いわゆる
「限界集落」だ。


このような考察を元に中田氏は、共同体の
崩壊は経済発展の副作用として起こるのでは
なく、必要条件だったといいます。




本書の中でも極めて重要な部分に近づき
つつあります。続きはまた次回!






↓バックナンバーです。



 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その6

 途上国は貧困か? 『人間性未来論』から考える その7


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