久しぶりに書籍紹介です。
「フェアトレードのおかしな真実」
著 コナー・ウッドマン 訳 松本 裕
英治出版 2013年
イギリスのジャーナリストが、フェアトレード製品の
購入が本当に生産者のためになっているのか疑問を
持ち、世界各地の現場に行って取材した内容を
まとめた本。ゴム・コーヒー・紅茶・綿・レアメタルなど、
私たちの生活に身近なものが、どこで誰の手によって
生産されているのかが克明に描かれています。
なかなか刺激的なタイトルですが、「フェアトレードは
インチキだ!」みたいな安易な批判ではないと
僕は受け止めました。
もちろん批判的な記述は多々あるのですが、
まだうまく機能していないフェアトレードの仕組みを
淡々と、時に皮肉を交えながら紹介しているような
印象です。
例えばコンゴのスズ鉱山での現状は次のように
書かれています。
「国連が推奨する倫理的禁輸措置は、ただ
ブラックマーケットを生んだだけだった。(中略)
交易所を通過するコルタンやスズの量が1ヶ月
あたり50トンほど減ったが、それは採掘量が
減っているわけではない。」
この本に出てくる様々な事例のように、フェア
トレードにはまだまだ多くの問題点があります。
しかし、だからと言ってフェアトレードは意味が
ないと結論づけるより、これから取り組んでいくべき
課題と捉えるべきでしょう。
フェアトレード関係者にはもちろん、国際的な
取り引きの現場にいる人にも読んでほしい一冊です。
読んでみたい方はお貸しします~(^^)
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